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90年から100年へつなぐ

日本国体学会理事 小川力

里見岸雄先生が、大正十三年十二月に兵庫県西宮町(現在の西宮市)に里見日本文化研究所を開設し、翌十四年(一九二五)四月二十八日、開所式が挙行された。本年で、満九十年となる。

一人の人間でも九十ともなれば長寿だが、研究所九十年の歴史は日本史に燦然と輝くもので、国の内外に与えた影響力だけをみても驚異というべきものである。それは一般国民は言うに及ばず、政治、学問、宗教、経済、思想等々、各界の要路に与えた影響は一層大きなものがある。

里見先生七十八歳のご一生は、「闘魂風雪七十年」にもあるごとく、闘いの連続であったといえよう。その「闘い」は、講演、演説、執筆の連続がそうであるが、常住坐臥の闘いというべきものではないか。大王文庫に所在する里見先生の厖大な著書をみると、先生は一体いつ原稿を書かれていたのか、と非才なものは不思議でならない。

公刊された著書は「里見岸雄先生学業六十年史」によれば、百八十七点という数字になる。大部の著書が大半であるが、この他には機関誌紙、他の新聞雑誌に寄稿の文編などを併せたらいかなる字数になるのか想像もできない。「兆」を超えて、スーパーコンピューター京ではないが、日常使わない単位の数になるのではないか。

さて、この栄えある九十年を迎えて我等何をなすべきや、これこそが継承するものの責務である。「組織の拡大」この一点を私は取り上げたい。だが、微弱な大、内容無き大は不可であり、強大な組織の構成を目指すべきだ。そのためには、先師の教えにある「厳しき統制」と「見事な融和」を、組織拡大の精神とすべきである。

幸い、金子宗徳氏を先頭に若い人々が研鑽を重ね始めている。この人達に大きく育ってもらうために、先に生まれたものは能う限りの助力をなそうではないか。

最後に提案だが、本年内を目途として十年後の百年を期して、「里見日本文化学研究所満百年記念事業委員会」なるものを構成し、細部の事業計画を立てて大きく踏み出そうではないか。それが、九十年から百年そして未来につなぐ具体的指針となるであろう。

〔里見日本文化学研究所創設九十年記念号掲載分〕
(「国体文化」平成27年4月号〔通巻1091号〕)

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